講師の蓮岡氏は僧侶であり、「絵本と人権」というテーマで大学で教えておられます。「親子で一緒に絵本を楽しむときこそが平和」という心をもって取り組んでおられます。
かつてアフガニスタン難民キャンプにおいて、井戸を一本掘って奇麗な水が飲めるようになると、子どもが助かる、という故中村哲氏の志のもとに井戸や水路の建設に携わってこられました。
アフガニスタンの戦争孤児たちは、時には悪事を働いたりします。そんな彼らでも絵本を必死で読んでため息をつく姿をある時見た蓮岡氏は、絵本というのは子供に大きな影響を与えることができるに違いないと考えられました。子供を膝に抱いて、絵本を読んであげる瞬間に感じ取れる至福のときを経験したこどもたちは、その体験を伏流水のように心に抱いて、ある時その体験が何らかの形で自分を表現する糧となるものだと。
人権講演内容の要点は
①人権とは「愛される権利」であり、ひとりひとりに敬意を払うこと。
②自分の色で強制的に相手を染めようとせずにお互いをみとめあうこと(=極楽浄土の平等観)。
③漫画と絵本の違いは複数の絵か、一枚の絵かにより、1枚の絵から想像できる感受性を養うことが大切であること。メディアが発達しすぎているいま、相手のことを想像する力が衰退しているおそれがあるのではないかということ。
④幼児を持つ親は昔からの知恵を伝達できる絵本や、美しい言葉を読み聞かせられる絵本等を一緒に読み聞かせてあげてほしいこと。
なお、子育てサロンの事業でのおすすめ絵本は?という質問が出席者の中からあり、蓮岡氏は幼児は色やニオイから感じ取る感覚が敏感なので、虹色が順に使われているような絵本や、「大好き」「可愛いね」というシーンがでてくる絵本は自己肯定感に繋がり望ましいです、とのことでした。
最後に子どもにどんな影響を与えるかに関して加美東小学校の評価をされていましたが、「強制しないところ」「遊び心があるところ」など、特に図書館に関して好評価をされていました。
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